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シュタイナー教育の元父母からの匿名証言 #3
2001年12月21日 

   Dec. 21, 2001 
   Anonymous Testimonial From Waldorf Parents #3
   -Personal Stories of Former Waldorf Parents, Students, 
     Teachers, Administrators
  -Articles


 私がまだ純粋な信者だった頃、この学校の父母から手紙をもらったことを思い出します。あれは、この学校に被害を受けて、他の父母全員に手紙を送る勇気のある人たちだったのです。当時は手紙をざっと読んで、こんなにすばらしい精神的に啓発してくれる場所に対して、かわいそうに誤解してしまうほど頭がおかしいのか、それとも何か悪意を持って反抗したい人がいるのだと思いました。あの頃は、自分がこの教育以外の友人より優れているような気がしていましたし、ある意味ずっとものを知っているような気がして、浮いたかんじでした。私は楽園への鍵を持っているのだ、シュタイナーという・・・。
 この美しい玉座から、どうやって追い出されたのかは今はまだ記述することはできません。基本的な打撃から立ち直ったところで、ただあの古い手紙をとって置けばよかったと、あの頃の人に対する判断をとても後悔していると言っておきたいのです。あれこそ深くて価値ある教訓であり、今私がみなさんと分かち合いたいものです。
 私が「純粋な信者」という言葉を意識して使っているのは、あの頃自分のことをそう感じていたからです。教師が食べ物や衣服や本などについて要求すれば、従順に教師に喜こばれるようにしていました。自分自身の直感を手放し、子供のしつけについて、あらゆることを指示してもらう自分は再び幼児になったようでした。
 子供に輝く黄金の魂を与えられるという約束、その美しさに誘惑されていました。美しさはメッキで、ごまかしに支えられていたことを知らず、子供はすでに輝く黄金の魂を持っているということを知りませんでした。むしろ自分たちのことを教師やら精神的指導者などと称する善意ではあっても修行の足らない神経症の人たちに、子供の魂を奪われてしまうところでした。
 こんな安易な答えに必死にしがみついてしまった自分を責めています。精神的につながることで、メデイアや資本主義文化による魂の死から子供を守ることができるのはこの学校だと信じていました。そして親としての直感を手放し、盲目的に忠実にシュタイナーの神秘学に裏打ちされた忠告に従ってきたことを責めています。
 私の最大の失敗は、自分の子に対して自分が権威であると信じられなかったことだと思っています。自分のことを精神的に目覚めていると売り込むような人に謙遜していたことです。
 確かに私たち家族にとって素晴らしい面もありました。それは娘が自立してから答えをだせると思います。しかし外側の美しさなどというものは、今子供たちがシュタイナー教育のトラウマから回復して感じている喜びに比べたら何でもないということだけは、はっきり言えます。

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